磁性体インプラント式温熱療法における加温範囲の拡大に関する数値解析

小林 弘明  雨宮 好文  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J70-D   No.1   pp.216-224
発行日: 1987/01/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
専門分野: 医用電子・生体工学
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あらまし: 
体内の腫瘍部に磁性針を埋込み(インプラント),これを体外から高周波磁界によって誘導加熱して行う温熱療法(ハイパサーミア)がある.インプラント一本では加温範囲がきわめてせまいので,十分な加温範囲を得るには複数本のインプラントをアレイ状に埋め込まなければならない.Matloubiehらは数値計算によって,多数のインプラントを腫瘍内はもちろん外側まで配置しなければならないと述べている.筆者らは本報で補助加温(組織および血液の温度を全体的に例えば3℃上昇させる)を併用するときは少ないインプラント数で加温範囲を拡大できることを計算によって示す.加温範囲の尺度としてMatloubiehらは腫瘍断面(二次元を仮定)内の各点の上昇温度の標準偏差を用いたが,筆者らは腫瘍断面(同上)のうち42℃以上に加温される面積の比をとり,これを加温面積比と名づける.例えば直径2cmの腫瘍に対し,中心から8mmの円周上等間隔に6本のインプラントを配置した場合に,補助加温なしでは加温面積比は約16%であるが,3℃の補助加温の併用によって94%という計算値を得た.