追跡眼球運動中の注意力とサッケード運動特性との関係

海老澤 嘉伸  南谷 晴之  山本 雅弘  高瀬 守一朗  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J70-D   No.10   pp.1968-1976
発行日: 1987/10/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネチックス
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あらまし: 
現在までに構築された追跡眼球運動制御モデルはどれも完全なものとはいえない.追跡眼球運動特性は,動的視標追跡中の被験者の注意力によって変動すると考えられるが,それに関する研究はなかった.そこで,動的視標を追跡している被験者が,その視標を正確に追跡しているか否かを,視標の輝度変化によって,被験者自身にフィードバックするTarget Brightness Feedback法というVisual Feedback法を考察し,動的視標追跡中の被験者の注意力を喚起することにより,とくにサッケード運動特性の変化を調べた.注意力の向上により,サッケードの減少が見られた.更に詳細に解析した結果,サッケード開始点の位置偏差の増大,その位置偏差に対するサッケードの大きさの比に減少がみられた.これらの現象は,制御モデル上ではサッケード除去用不感帯の拡大と,新たに加えた制御要素である位置偏差補正率の減少として考えることができる.また,視標を網膜上のどの位置で認知しているかを調べたところ,注意力が高まると周辺視で追跡する傾向がみられた.これらの現象は,Saccadic Suppressionを回避するために生ずるものと考えられる.