ディジタル無線通信における周波数ダイバーシチの効果

市川 敬章  山後 純一  村瀬 武弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J70-B   No.10   pp.1177-1183
発行日: 1987/10/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 論文
専門分野: 無線通信
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あらまし: 
周波数の異なる無線チャネルを複数用意し,選択して用いる周波数ダイバーシチはフェージングによる伝送品質の劣化を救済するのに極めて有効である.従来,アナログ無線方式においては周波数ダイバーシチ効果の理論的推定を複数チャネルにおける受信電力低下の同時発生確率から行っていた.しかし,ディジタル無線方式については伝送品質の劣化のメカニズムがアナログ方式のそれとは異なるため新たな推定手法が必要となる.ディジタル方式における伝送品質の劣化は,マイクロ波帯では主としてフェージング時に生ずる帯域内偏差に依存している.帯域内偏差については異なるチャネル内で発生の同時性が少ないと予想されるためディジタル方式においても周波数ダイバーシチ効果が期待できる.本論文では,受信電力分布として相関を有する結合m分布を仮定し,各回線での帯域内振幅偏差の同時発生確率を計算することにより回線断の周波数相関を算出し周波数ダイバーシチ効果の理論値を数値計算し,ディジタル無線方式における周波数ダイバーシチ効果の理論的推定法を示した.また応用例として16QAMディジタルマイクロ波方式に適用し,中継距離97kmの海上区間における符号伝送実験結果と理論計算値を比較し,本手法の妥当性を確認した.