線形時変系の取り扱いにおける回路論理的手法とシステムのモデリングへの応用

古賀 利郎  宮崎 明雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J70-A   No.1   pp.1-9
発行日: 1987/01/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 招待論文
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あらまし: 
線形時変系に関する研究は,古くからなされてきたが,波,予測,制御などの問題の研究が進展するにつれて,現実の信号・雑音の時系列について定常性が必ずしも成り立たないため,システムのモデルとして線形時変系を考えなければならないという認識がなされ,重要な研究課題の一つにあげられるようになった.周知のように,線形時不変系が,インピーダンス,アドミタンスなど回路関数の概念を用い,複素周波数領域において代数的ならびに関数論的手法を自由に駆使して取り扱い得るのと対蹠的に,線形時変系の取り扱いはいろんな意味で困難とされている.しかし,回路関数などの概念は,時間域において本来線形作用素であって,作用素代数の立場から考えると,古典回路理論におけると同様の多くの合成手法が,形式的にはそっくり線形時変系に対しても適用できることが知られる.本論文では,離散時間系に限り,線形時変系の伝達関数に相当する時間域の作用素について,有理関数的に表現できるための条件を与え,因数分解の可能性,並列および縦続形構成などの可能性を明らかにした.また,時変格子形フィルタの設計公式を導き,設計アルゴリズムの収束性について簡単に論じた.