放送衛星トランスポンダ合波器用12GHz帯低損失6段カノニカル2重モードフィルタ

野本 俊裕  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J69-B   No.11   pp.1462-1469
発行日: 1986/11/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 特集論文 (衛星通信特集)
専門分野: 衛星用ハードウェア
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あらまし: 
本論文は,高出力(200W以上)12GHz帯放送衛星中継器に搭載することを目的としたチャンネル合波器用フィルタの開発結果について述べている.衛星送信出力の低下の防止ならびに熱的安定性を確保するため合波器用フィルタは極めて低損失であることが要求される.ここでは,6段楕円型フィルタの使用が4段楕円型フィルタに比べ挿入損失および放熱の観点から有利であることを見い出し,TE1132重モードを用いた6段カノニカルフィルタの設計を行った.また熱設計の観点から,フィルタの材料として円筒導波管部に熱膨張率の小さいスーパーインバー,アイリス板に熱伝導率の高い銅を使用し,熱放散の改善により温度上昇を抑えるとともに温度変化に伴う特性劣化を防止した.試作したフィルタでは,チャンネルの中心での挿入損失0.3dB以下,チャンネル内での振幅偏差0.1dBp-pおよび遅延時間偏差5nsp-pの性能を実現し,また0℃~90℃の温度試験ならびに200Wの実負荷試験で,フィルタ特性に顕著な変化が生じないことを確認した.その結果,本フィルタは従来の4段楕円型フィルタより優れた電気および熱的性能を有し,高出力放送衛星トランスポンダ合波器用フィルタとして最適であることが明らかになった.