手書き過程のパルス制御モデルとその情報圧縮への応用

保原 信

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J68-A    No.3    pp.318-325
発行日: 1985/03/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
専門分野: 情報基礎
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あらまし: 
新しい通信概念として,Audio-Graphic Communicationが内外で注目されはじめた.これは狭い電話の音声帯域内で音声情報のほかに,手書き線画情報も同時に伝送するものであるが,これを実現するためには,手書き信号の情報圧縮が重要な課題となる.まず,3次のKalman形適応予測器とラプラシアン形固定量子化器を用いたDPCMで実験を行ってみたところ,情報圧縮率は0.71となることが分かった.さらに,Kalman Filterを用いて量子化雑音の低減を行った後に適応同定器で予測係数を計算する方法で実験を行ってみたが,情報圧縮率は0.54であった.またこの時,量子化器のレベル数を7以下とするとシステムの特性が不安定となり,4とするとFilterの効果が認められなくなる.さらに,3,2とすると全く逆効果となることも分かった.そこで本稿では,手書き信号の性質を考慮して,その情報圧縮に有効と考えられる,モデル規範適応制御システム理論を基礎とした新しい考え方を導入する.特に,量子化レベル数を3とした場合でも安定に高性能が得られることを実験によって確認する.実際,0.44の情報圧縮率の達成が可能であることが分かった.