チェビシェフ多項式の逐次的因数分解に基づく高速コサイン変換アルゴリズム

森川 良孝  浜田 博  山根 延元  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J68-A   No.2   pp.173-180
発行日: 1985/02/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
専門分野: 信号理論・信号処理
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あらまし: 
高速計算アルゴリズムが知られている離散的直交変換のなかで,離散コサイン変換(DCT)は,変換列のエネルギーが低い次数に最も集中するという性質をもつため,特徴抽出や高能率符号化などで広く用いられている.高速コサイン変換(FCT)として,(1)実数列の高速フーリエ変換(FFT)を介して計算するもの,(2)DCT操作を表現する行列をスパース因子へ分解することにより計算するもの,が知られている.これらの方法では,N=2ν点のDCT計算に約N log2N回の実乗算と約(3/2)N log2N回の実加算が必要である.本論文で提案するFCTは,これらの考え方とは異り,まずDCTをチェビシェフ多項式の有限級数に表現し,この級数の次数をチェビシェフ多項式の逐次的因数分解法を利用して順次半減させていき,最後にDCT値を得るものである.この方法では,(1/2)N log2N回の実乗算と約(3/2)N log2N回の実加算でN点DCTが計算でき,従来のFCTに比べて,乗算回数が半分に節減できる.又この方法は,構造が基数2のFFTと類似しており,プログラミングが容易であるという特長も有している.