多変数ARMAモデルによるスペクトル密度の推定

竹内 誠  植村 博一  酒井 英昭  

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電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J67-D    No.3    pp.343-350
発行日: 1984/03/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
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あらまし: 
不規則時系列のスペクトル解析において,線形モデルあてはめによる種々の推定法が提案され,実際のデータ解析にも応用されている.自己回帰-移動平均(ARMA)モデルによる方法は,その計算法の複雑さおよび理論面での不備等のため,実際の時系列解析に使用される例は少なかった.本研究では多変数ARMAモデルあてはめによるパラメータ推定の際の,ぼう大な計算量を要する方法を改め,計算量は自己回帰(AR)モデルと同程度であるような多変数ARMAモデルによる自己および相互スペクトル密度の推定法を提案した.この方法は,一変数モデルの方法をそのまま理論的に多変数の場合に拡張した.最初に,多変数ARMAモデルの状態空間表現を使ってスペクトル密度行列の発展的表現を導いた.この式によれば,スペクトル密度推定のためMAパラメータの推定を行なう必要がなく,AR部分のパラメータの推定のみを行なえば良い.この点が本手法の特長である.ARパラメータはユール・ウォーカ式を基に推定する.次にモデルの適当な次数の決定であるが,これについて理論的に明確な基準を導くことは困難なので,発見的方法を提案し,シミュレーションによりその有効性を調べることにした.さらに,各チャンネル毎に線形モデルを想定する方法についてもシミュレーションを行ない比較を行なった.