筆者識別に影響する要因の分析

吉村 ミツ  木村 文隆  藤田 宏昭  吉村 功  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J66-D   No.1   pp.1-8
発行日: 1983/01/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
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あらまし: 
文字認識と筆者認識とは,人と字種とを置きかえて考えれば,形式的に同じ問題であるが,認識の正答率に影響を及ぼす要因は異っている.本論文では,筆者認識の一部である筆者識別について実験を行い,正答率に影響する要因の分散分析を行った.13文字からなる二つの文章“愛知県名古屋市千種区不老町”,“それは彼の優勝記念カップだ”を11人に,たて書きと横書きで各64回反復筆記させたものを材料とした.64反復のうち,奇数番目の32反復を参照用にし,残りの文字について識別実験を行い,正答率を観測値とした.識別には,パターン整合法を用い,因子としては,文字の配列方向(たて書き,横書き),人,字種,参照する文字の量,テンプレートの次元数をとりあげた.分散分析の結果,ア)識別対象文字と参照文字の配列方向が異ると正答率が低くなる.イ)正答率の個人差は大きく,正答率の高い字種は人によって多少異なる.ウ)参照文字は多いほどよい.エ)テンプレートの次元kは,5以下でなるべく大きくとるのがよい.オ)平均して片仮名(単純な漢字を含む)より平仮名,平仮名より複雑な漢字の方が正答率が高い.などが確められた.