音声合成のためのメル対数スペクトル近似(MLSA)フィルタ

今井 聖  住田 一男  古市 千枝子  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J66-A   No.2   pp.122-129
発行日: 1983/02/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
専門分野: 
キーワード: 


本文: PDF(590.4KB)>>
論文を購入




あらまし: 
音声のスペクトル包絡はメル目盛に近い非直線周波数目盛上の対数振幅スペクトル(メル対数スペクトルと呼ぶことにする)の形で効率良く表現され,そのフーリエ係数で定義されるメルケプストラムもスペクトル包絡を表現するパラメータとして良い性質を持つと考えられるが,従来,メル対数スペクトルを近似する合成のための良いフィルタが知られていなかった.本論文では,構造が比較的簡単で係数感度の低いメル対数スペクトル近似(mel log spectrum approximation,MLSA)フィルタの構成法と音声合成のためのMLSAフィルタの設計例を示す.MLSAフィルタの伝達関数は,基礎フィルタと名付けるフィルタの伝達関数の指数関数を近似するPadé近似式で表され,基礎フィルタの伝達関数は,1次の全域通過フィルタの伝達関数を変数とする多項式で与えられるので,フィルタを実現するためには帰還ループから遅延を含まない経路を除く必要がある.本論文に示したMLSAフィルタの構成法によれば,MLSAフィルタの帰還ループから遅延を含まない経路を容易に除くことができ,得られるMLSAフィルタは構造も比較的簡単で係数感度が低く,係数の量子化特性も大変良い.