超音波透過CTにおける屈折の影響の修正法

川中 彰  中山 淑  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J65-D   No.2   pp.194-201
発行日: 1982/02/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
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あらまし: 
超音波透過CTにおいて,生体組織を対象として超音波の透過波を測定し,X線CTの手法を応用することにより,その屈折率,および吸収係数(または,減衰係数)の分布が求められている.このとき,波は直進するものと仮定されているが,X線に比べ,超音波を用いる場合には波長が長くなるため,波の屈折による再生誤差が現れることは良く知られている.屈折率の再生に関しては,光学の分野において,アイコナールの方程式に摂動法を適用し,摂動の次数を順次高めてゆくことにより,再生値に現れる屈折の影響を修正する方法が提案されている.筆者らは,この方法を拡張し,基本方程式として,複素屈折率が空間的に分布している媒質に関する波動方程式を考えることにより,吸収係数についても,同様の方法により,屈折の影響を修正できることを示している.更に従来の直線伝搬経路を仮定した場合の再生値は,最も低次の摂動解に基づいたものに一致していること,又,高次の摂動解を考慮して修正項を求める場合にも,通常のCTアルゴリズムを適用でき,安定な修正項が求められることを導いている.最後に,本方法の有効性を確かめるために行った計算機シミュレーションの結果を示している.