適応線形予測形エコーキャンセラの試作

山本 誠一  来山 征士  榑松 明  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J65-B   No.10   pp.1229-1236
発行日: 1982/10/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 論文
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あらまし: 
長距離電話回線におけるエコーを除去するための新しい方式として現在研究が進められているエコーキャンセラは,内部でエコーと等価な信号を発生させてエコーを打ち消すもので,エコーが伝搬する線路の信号伝搬特性をオンラインで推定する必要がある.この推定アルゴリズムとして従来主に用いられてきた学習同定法は,会話音声信号に対しては白色雑音が入力される場合に比してエコー打消特性が劣化するという問題がある.更に,収束特性を向上させると雑音により打消量が低下する欠点があった.このため,筆者らは会話音声信号入力時の収束特性と雑音の存在する下での打消量とを同時に改善できる適応アルゴリズムを提案し,更に本アルゴリズムでは重畳通話時にもエコーパスモデルの乱れが生じないことを示した.本論文は,この適応アルゴリズムを用いたエコーキャンセラの試作装置について述べている.性能評価試験により,試作装置はエコーパス損失12dB,受信入力信号レベル-10dBm0の条件の下で,打消量32dB,収束速度25dB/500msecを示すと共に,雑音による打消量の低下は少なく,又重畳通話時にもモデルの乱れが生じない等の優れた特性を示すことが確認された.