距離変換された手書き漢字の大分類

若原 徹  淀川 英司  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J64-D   No.7   pp.593-600
発行日: 1981/07/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
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あらまし: 
手書き漢字を認識する前段として,多様な手書き変形に安定な大分類法を確立することは有力な方法である.本論文では,手書き変形を吸収するために文字背景部分にも着目する手法を検討した.具体的には,文字背景部分の各画素に,文字心線からの距離変換値を与え,全体を多値図形に変換して,特徴量の抽出を試みた.文字心線から同一距離にある部分の形状を捕える特徴量「画素数」,「連結成分数」,「genus」と,多値図形を用いて重ね合せを行う特徴量「平均ラベル」,「変動数」,「#形スリット」を発案し,手書き漢字2,074字種の大分類実験を行った.その結果,領域をスリットで制限して重ね合せを行う特徴量「#形スリット」の大分類能力が最も高かった.続いて,複数の#形スリットを結合してスリット本数を増した重ね合せ法を検討したが,第200位での累積分類率はほとんど変らず,単独の#形スリットで十分であることが分かった.そこで,単独の#形スリットについて,特徴ベクトルの次元数と大分類能力との関係を調べた結果,次元数を減らしても,2値図形上で重ね合せを行う「メッシュ特徴」を上回る分類効率が達成できることを確認した.