切り捨て量子化形ディジタルフィルタのリミットサイクルに関する考察

久保田 一  吉田 正  辻井 重男  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J64-A   No.5   pp.371-377
発行日: 1981/05/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
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巡回形ディジタルフィルタにおいては,リミットサイクルと呼ばれる一種の発振現象が生じやすく,フィルタ設計上重要な問題となっている.従来,リミットサイクルについて種々の研究がなされてきたが,実際によく用いられる2の補数表示切り捨て量子化についての研究は少なく,従来の研究の多くは量子化特性が正負対称な丸めの場合に限られていた.そこで,ここでは2の補数表示切り捨て演算形ディジタルフィルタのリミットサイクルについて考察を行っている.まず,2次の基本的な全極形ディジタルフィルタについて,切り捨てという非線形操作を誤差系列と線形システムとに分けて考え,更に誤差系列を直流成分と交流成分に分解し,リミットサイクルと誤差系列の関係について述べている.次に,リミットサイクルの特徴について解析し,幾つかの定理を求め,新しい実効値の上界を求めている.最後に,周期1,2のリミットサイクルが生じないための十分条件を導出している.