ガウス形白色雑音の重畳した信号のディジタル的加算平均による雑音の低減

森川 良孝  浜田 博  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J64-A   No.11   pp.877-884
発行日: 1981/11/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
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本論文では,ガウス分布をもつ白色雑音の重畳した周期信号を,A-D変換後に加算平均処理を行った場合の雑音の低減について解析している.まず,A-D変換誤差を2乗平均誤差として定義し,量子化に伴うひずみの量を表す“偏差”とランダム雑音の量を表す“分散”の和の形に表現し,次に,入力信号の値が有限の範囲に一様に分布する場合について,これらの計算を行っている.この計算では,信号の入力範囲の両端部に起因する効果を補正項の形で与えることにより,計算結果を簡潔に表現している.計算結果によれば,一定の量子化ステップ幅の下で,白色雑音の分散σ2の増大につれて,“偏差”は減小し,一方,“分散”はσ2の増加割合以上の割合で増大していく.又,“分散”は加算回数に逆比例して低減する.このため,全体の誤差は,加算回数に応じたσ2のある値で最小値を示す.更に,端部効果を無視すれば,加算平均処理を行わない場合,“偏差”の減小分は,ちょうど,“分散”の増加分からσ2を差し引いたものに等しく,従って,全体の誤差は,白色雑音が存在しないときの量子化ひずみの2乗平均値と白色雑音の分散の単純な和となるが,この単純加算則の成立する一般的条件を示している.