超音波断層法における反射波の極性推定法

川中 彰  中山 淑  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J63-A   No.7   pp.437-443
発行日: 1980/07/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
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あらまし: 
医用超音波断層法(パルスエコー法)において,観測される臓器境界面からの反射波は,界面の前後の組織の音響インピーダンスの大小により正負の極性を有しており,この情報を得ることは興味ある問題である.しかし,反射波は組織の伝搬特性により振幅ひずみを受けており,信号帯域も狭いので極性推定はそれ程容易ではない.本論文では,未知の振幅周波数特性の影響を受けないように,反射波の位相特性から,正負の極性,および伝搬時間を推定する方法を提案している.更に,受信波に付加白色雑音が混入した場合の推定値の平均2乗誤差を求め,伝搬時間の推定誤差は,上記の振幅特性が既知の場合には,通常の波形が既知の場合の最ゆう推定法のそれに全く一致することを導き,この推定法の有効性を示している.又,正負の極性の推定誤差は,SN比,およびQ(中心周波数/rms帯域幅)のみに依存していることを導き,反射波の極性推定には高感度でQの低いトランスジューサが必要であることを示している.最後に,切り出した生体組織から測定された反射波に,本法を適用した結果を示している.