マルコフ形サービス系の過渡確率とその応用

町原 文明  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J62-B   No.12   pp.1124-1131
発行日: 1979/12/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 論文
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あらまし: 
到着率,サービス率が系の状態に従って変化する最も一般的な有限次元マルコフサービス系の過渡確率を解析する.この過渡確率は従来,Desclouxにより解析されているが,数値計算を行うには高度な数値解析の知識を要する.本論文の解析は,ある系内数を吸収状態とし,更新方程式をたてて行うもので,従来の手法とは全く異なる.この手法によると,過渡確率導出の際必然的に現れる推移確率行列の固有値の存在場所が明確となり,数値計算上の利点が大きい.過渡確率の応用の第1として,トラヒック測定精度の解析があげられる.この場合,過渡確率導出は,測定データ相互の相関性を示す共分散関数導出の必要十分条件となり,直ちに応用される.本論文では,待ち合せと損失のある系における出線接続数の共分散関数を実際に数値計算すると共に,これに対する近似法を提案し,これが実用上十分な精度をもつことを確認した.これは,厳密解析において必要となった過渡確率導出という煩雑さを解消し,測定精度の解析上極めて有効な手法となる.