多径路伝送路に対する適応等化

六浦 光一  森川 博由  遠藤 一郎  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J62-A   No.4   pp.247-254
発行日: 1979/04/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
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あらまし: 
伝送路の等化理論は,Lucky以降多数の研究がなされているが,従来の等化理論が対象としてきた通信路は主として送信者と受信者が一対一の,いわゆる単方向通信路であったが,ここで述べる適応等化理論は,受信者に至るまでに複数箇所の送信点,中継点があり,考えられ得る伝送径路が多数存在するような伝送系において,経由する中継点すなわち伝送径路を未知とした条件下で,トレーニングパルスなどを用いずに,信号を受信しつつ現在用いられている伝送径路に対応した最適な等化器を適応的に構成する理論である.この等化器は線形推定理論に基づくもので,カルマンフィルタと呼ばれている推定系を用いる.カルマンフィルタを伝送問題に適用することはMillerにより示唆されており,Lawrenceらはディジタル信号に対する等化に応用しているが,いずれも単方向通信路に対するものである.ここでは等化部にカルマンフィルタを用い,適応部にパーティション理論を伝送問題に応用して用い,等化器の適応化を行う理論を構成し提案した.計算機シミュレーションの結果,適応の際の速やかな収束と精度の良い等化が確認され,理論の有効性が示された.