狭帯域リンコンペックス方式の実用試験

石上 彦一  来山 征士  佐藤 明  田村 潤三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J60-B   No.7   pp.507-514
発行日: 1977/07/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 論文
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短波船舶無線通信はその需要の増加に伴い,伝送帯域の節減や有効利用が世界的に重要な問題となっている.筆者らはこの問題の解決の一案として,狭帯域リンコンペックス方式の提案と,その装置の試作を行い室内実験において所期の成果を得た.そこで,短波無線回線における本方式の狭帯域効果と,船舶リンコンペックス方式やボーダス方式に対して通話品質のそん色の有無を明らかにし,且つ実用化の目途を得る目的で,東京と沖縄間の船舶無線回線を用いて実用試験を行った.本論文は,まず実用試験における試験条件ならびに通話品質の評価方法と,本方式の効果を明確にするため,使用電波の受信状態の測定結果について述べている.次に,オピニオン,反復度,困難度,音節明りょう度および自然度の主観評価結果と,船舶リンコンペックス方式とボーダス方式に対して上述の評価の比較検討を行っている.検討の結果,本方式は雑音などの影響が小さく,狭帯域効果が大きい.又,通話品質が船舶リンコンペックス方式とほとんどそん色なく,ボーダス方式に比べて格段によい.本方式は無線回線の伝送帯域が有効に利用できるので,世界的に増加する船舶無線電話回線の確保に大きく寄与できる.