電磁界の零点ゆらぎに基づく雑音解析と通信容量

長嶋 秀世  藤橋 忠悟  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J60-A   No.5   pp.460-467
発行日: 1977/05/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
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あらまし: 
ここでは量子力学的情報理論の基本的な問題の1つである電磁界の不確定性原理と通信容量についての定量的な解析と,これらの基礎となる電磁界の零点ゆらぎの確率密度の求め方,ならびに密度演算子による通信路の統計的取扱いについて検討する.最初に信号の古典的表示から出発し,従来の通信理論における信号と雑音の定義と量子力学における信号と雑音の定義の対応づけを明確にし,量子雑音の確率的取扱いを示した.特に,遷移確率理論を直交状態ベクトルだけでなく非直交状態ベクトルであるコヒーレント状態ベクトルに拡張して適用できることを示し,電磁界の零点ゆらぎをガウス分布として求めた.又,自然放出現象における零点ゆらぎの役割について述べ,自然放出現象の統計物理的な現れである熱雑音と自然放出雑音は,この零点ゆらぎから引起されることを示した.更に,これらより求めた結果は物理的に矛盾しないことを示し,ここで提案した新しい密度演算子による通信路の解析法はより複雑な問題に対しても適用可能であることを確認できた.