クロム薄膜にあらわれた異状欠陥の性質と出現性

畠山 豊正  四谷 平治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J55-C   No.1   pp.55-60
公開日: 1972/01/25
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Print ISSN: 0373-6113
論文種別: 論文・資料
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あらまし: 
クロム薄膜を斜方蒸着法でスライド・ガラス基板上に作成すると,異状欠陥が蒸着角45°付近にあらわれることがある.この欠陥は溝状をしていて蒸着方向に対しておよそ直角にできる.またその太さは蒸着角が大きくなるに従って細くなり,その密度は45°付近で最大になる.これらの現象は自己陰影効果を加味した内部応力が原因であるという推論をおこなった.一方,この異状欠陥の出現性を調べるために真空度,蒸着速度,膜厚それに基板温度などの条件を変えていろいろ実験をおこなってみたが決定的な要因をみつけることはできなかった.ただ,蒸着速度が遅いときできやすいようである.また蒸着直後は鏡面状態であったのが,熱処理をおこなったり,経時変化によって同様の欠陥が生じることがあった.さらに経時変化によって欠陥部の破損が生じることがわかった.以上のようにこの欠陥は膜の劣化に与える影響が大きいので,多元蒸着など必然的に斜方蒸着となる研究において注意を要する.