球電極間の衝突ESDに伴う過渡磁界の影像ダイポール法による距離減衰の計算と球サイズの増強効果

王 建青
石田 武志
戸澤 幸大
藤原 修

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J105-B    No.4    pp.414-422
発行日: 2022/04/01
早期公開日: 2021/12/17
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2021JBP3031
論文種別: 論文
専門分野: 電磁環境・EMC
キーワード: 
球電極間衝突ESD,  過渡磁界,  近磁界プローブ,  影像ダイポール法,  界の増強効果,  

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あらまし: 
帯電金属体の静電気放電(ESD)に伴う過渡的な電磁界は電子機器に強い電磁障害を引き起こす.発生レベルは金属体のサイズが大きいほど増大するが,効果の物理機構には不明の部分が多い.静止ギャップの金属球間ESDの放射電磁界は,先行研究の火花抵抗則を組み合わせた影像ダイポール法で解析でき,パルス放電実験とFDTD法(時間領域差分法)の数値計算で解析の妥当性が検証され,球サイズのレベル増強効果が既に示されている.火花長が未知の球電極間の衝突ESD(帯電金属体が他の金属体へ接近して衝突直前に生ずるESD)では,発生電磁界の放電点からの距離特性が測定され,界のピークが球サイズとともに増大することが実験で確認された.本論文では,先行研究でなされた直径30 mmから70 mmの600 V充電の球電極間衝突ESDにおいて,近磁界プローブを用いた過渡磁界の測定例を対象として,放射磁界波形から影像ダイポール法で火花長と火花電流を求め,計算磁界のピークの距離依存性を球サイズとの関係において測定値と比較する.この結果から,球サイズの増強効果が球表面積に比例することを見出し,支配因子がダイポールモーメント(火花電流ピークと実効ダイポール長の積)であることをあきらかにする.