プライバシ保護機能をもつベータダイバージェンスを用いた ロバスト線形回帰

竹下 虎太朗
福永 修一
田中 覚
黄 緒平

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J105-A    No.6    pp.68-80
発行日: 2022/06/01
早期公開日: 2022/01/25
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 10.14923/transfunj.2021JAP1023
論文種別: 論文
専門分野: 情報セキュリティ基礎
キーワード: 
プライバシー保護データマイニング,  ロバスト推定,  ベータダイバージェンス,  線形回帰モデル,  準同型暗号,  

本文: PDF(3.2MB)>>
論文を購入



あらまし: 
近年,情報技術の発展によって,様々な用途に利用できるデータの収集が容易になった.一方で,データ提供者に対するプライバシ保護が課題になっている.そこで,プライバシ保護データマイニング手法が提案されている.最も基本的な手法の一つとしてプライバシ保護機能をもつ線形回帰がある.これは2者のユーザがそれぞれ異なるデータを保持しており,それぞれのもつデータを暗号プロトコル上で計算することでプライバシを保護した回帰分析を行う手法である.しかしながら,プライバシ保護機能の有無にかかわらず通常の線形回帰はデータに外れ値が含まれる場合,推定性能が劣化する.本研究では外れ値に対するロバスト化に有効なベータダイバージェンスを用いたプライバシ保護機能をもつロバスト線形回帰を提案する.プライバシ保護の対象となる秘密データは暗号プロトコル上で計算する.ただし,暗号プロトコルでは整数しか扱うことができない.ロバスト線形回帰では重み関数により外れ値を除去するが,重み関数の出力は実数となる.提案手法では重み関数を多項式近似することにより,近似した重み関数の出力を整数にすることができる.