認知課題遂行時の発話特徴を用いた認知症希少疾患の簡易検出

花井 俊哉  加藤 昇平  坂口 巧一  佐久間 拓人  大嶽 れい子  桝田 道人  渡辺 宏久  
(学生論文特集秀逸論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J104-D   No.4   pp.198-206
発行日: 2021/04/01
早期公開日: 2020/12/07
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2020PDP0018
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: 生体工学
キーワード: 
認知症,  発話,  前頭側頭葉変性症,  アルツハイマー病,  アンサンブル学習,  

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あらまし: 
近年,日本における超高齢化社会の進展は著しく,高齢者への医療対策が課題とされている.そのなかでも,認知症患者への対策は急務である.認知症には様々な基礎疾患が存在し,それぞれ治療方法が異なるため,疾患を正しく診断する必要がある.しかし,非専門医による診断が困難とされている疾患も存在し,前頭側頭葉変性症(FTLD)はその一つである.FTLDは日本の指定難病に認定されている神経疾患であり,行動障害及び言語障害などが現れる.発症年齢も若年から高齢まで幅広く,他の認知症基礎疾患と比較しても診断が困難とされている.このような現状から,FTLDを簡便に検出し,非専門医の診断を補助するシステムが望まれている.そこで本論文では,発話音声解析に基づいたFTLD簡易検出モデルを提案する.計83人の発話から音響,言語,時間特徴量からなる計404種の発話特徴量を抽出し,認知症疾患を分類した.その結果,FTLD,アルツハイマー病及び健常者の3群分類においてF値0.74を確認した.この結果より,発話特徴を用いたFTLD簡易検出の有効性が示唆された.