リカレントニューラルネットワークを活用したイベントヒストリーデータの競合リスク解析

辻谷 将明  池亀 和博  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J104-D    No.1    pp.53-64
発行日: 2021/01/01
早期公開日: 2020/09/30
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2020JDP7038
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,データマイニング
キーワード: 
フィードフォワードニューラルネットワーク,  多重状態,  ソフトマックス変換,  ブートストラップ法,  影響分析,  ハザード発生割合,  生存確率,  条件付き生存確率,  

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あらまし: 
イベントヒストリーデータなどの時間依存型生存解析では,患者を観測期間中モニタリングし,最終イベントまで種々のイベントが発生する.そのイベント発生時点での検査値(共変量の値)が記録される.本論文では,共変量の値がイベント発生時点ごとに変化する骨髄移植(同種造血幹細胞移植)データを取上げる.このデータの大きな特徴は,死因として“原病”による死亡と,GVHD(移植片対宿主病)や感染などの原病によらない“競合リスク”死亡がある.死亡はこれらいずれか一つの原因で発生し,それのみ観測される.この競合リスクを考慮し,イベント発生ごとに変化する共変量の時系列情報を取込むため,リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network; RNN)を活用する.具体的には,ブートストラップ法を援用した最適な隠れユニット数の決定やモデルの適合度検定,影響分析,帰還路や共変量の有意性検定などを行う.そして,観測期間中の複数のイベント発生時点における離散ハザードの発生割合及び生存確率を推定し,半年後条件付き生存確率を予測する.