ソフトウェア無線機USRP X300を用いた非因果的成分を考慮したチャネルインパルス応答測定

中浜 智也  山田 洋士  亀田 卓  本良 瑞樹  末松 憲治  
(システム開発・ソフトウェア開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J104-B   No.3   pp.199-209
発行日: 2021/03/01
早期公開日: 2020/11/09
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2020GWP0019
論文種別: 特集論文 (通信の将来を切り拓く学生・若手論文特集)
専門分野: 基礎理論
キーワード: 
GNU Radio,  無線伝搬路,  近似逆システム,  キャンセリング信号処理,  全二重無線通信,  

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あらまし: 
本論文では,ソフトウェア無線機USRP X300を用いて無線伝搬路のチャネルインパルス応答(CIR:channel impulse response)を高精度に測定する手法を提案する.USRPをCIR測定に使用する場合は,送受信機間でのタイミング同期の確立が課題である.提案法では,UHD Timed Commandsを利用してUSRPを制御することで安定な測定を実現するとともに,D/A・A/D変換器,フィルタ,増幅器,同軸ケーブルなど,測定系の構成要素の特性を含むCIR測定と,測定系の特性をdelayed inverseに基づく近似逆システムで除去したCIR単独の測定の両方を実現している.delayed inverseを適用することで,数値的な不安定要因となり得る周波数領域での除算を回避し,見かけ上の非因果成分を考慮した高精度なCIRを測定可能とした.サンプリング周波数Fsb=20MHz,キャリア周波数Fc=920MHzの条件下で,試験用開放スタブのCIRを提案法で20回測定した際の測定結果とVNA(vector network analyzer)による測定結果とを比較し,定量的な精度評価を実施した.また,室内に設置した送受信アンテナ間のCIRの測定結果から得た振幅・位相特性が,VNAと同様の結果となることを示した.提案法を実装したソースコードをhttps://dsp-lab.net/で公開予定である.