角速度センサを用いたアーチェリー動作の比較及び差異の可視化

川口 碧  三武 裕玄  長谷川 晶一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J103-D   No.9   pp.632-643
発行日: 2020/09/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019JDP7090
論文種別: 論文
専門分野: ヒューマンコンピュータインタラクション
キーワード: 
アーチェリー,  DBA,  Kmeans,  クラスタリング,  差分抽出,  

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あらまし: 
繰り返し動作からなる個人競技では,微小な動作の変化にも気付き修正していくことが,動作の再現性を高める上で必要である.主観のみで十分な気付きを得ることは難しいため,客観的に運動動作を確認できる仕組みが求められている.本論文ではアーチェリー動作を対象とし,同一人物による多数回の運動試行動作における差異を簡易に探索できるシステムを提案する.提案システムは,競技者の弓に取り付けられた角速度センサの時系列データから,一人の競技者の多数の射について,Dynamic Time Warpingを用いて類似度を求め,類似度の距離に基づきKmeans法を用いてクラスタリングを行う.また,同時に記録した動画から差異のある時刻に相当する映像を切り出し,二つの画像を重畳して提示することで違いを可視化する.提案システムを中上級者5名が試用したところ,0.5秒程度の小さな揺れや姿勢,動作速度といった差を検出することができた.これらの違いは上級者であれば時間をかけて丹念に動画を比較することでも発見できるが,中級者には発見が難しい差異であった.指導者へのインタビューにより,検出した差異は,動作を熟練していく上で見つけることに意味のある差異であることが分かった.