組込みシステムの要求仕様書に対する誤り・曖昧表現の実証的調査

山本 椋太  中村 成  吉田 則裕  高田 広章  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J103-D   No.5   pp.427-449
発行日: 2020/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019JDP7092
論文種別: 論文
専門分野: ソフトウェア工学
キーワード: 
自然言語処理,  要求仕様書,  組込みシステム,  

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あらまし: 
システム開発では,要求仕様書や設計書を始めとした様々な文書が作成される.また,それらの文書は開発を進めていく上で指針となるため,読み手の解釈が書き手の意図と一致する必要がある.しかし,開発者がそれらの文書を自然言語によって記述することで,曖昧表現や誤り表現を生じる可能性がある.自然言語によって記述された文書に存在する曖昧表現や誤り表現は,システム開発の手戻りの要因となることがあり,修正されることが望ましい.文書の誤表現や曖昧さを自動的に取り除くためには,要求仕様書中に存在する誤り表現や曖昧表現の種別を明確にする必要がある.そこで,本研究では企業で実際に使用されている要求仕様書を分析し,誤り表現や曖昧表現の種別を検討する.そして,最も検出数が多い「構文の曖昧表現と一貫性の問題」を六つに細分化し,細分化された問題の検出手法として,精度を向上する手法と,再現率を向上する手法の二つを検討した.これらの手法を実装して評価した結果,構文上の曖昧表現の検出数が最多であった.また,手法の適用結果から,字句・構文解析によって検出可能な問題は,高い精度・再現率で検出可能だとわかった.