「可もなく不可もない」情報の提示がエージェントへの信頼感に及ぼす影響

作本 賢吾  今井 順一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J103-D   No.3   pp.82-91
発行日: 2020/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019HAP0004
論文種別: 特集論文 (ヒューマンコミュニケーション論文特集)
専門分野: ヒューマンコミュニケーション基礎
キーワード: 
Human-Agent Interaction,  システム設計,  信頼感,  プロスペクト理論,  同化対比理論,  

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あらまし: 
近年,ユーザに情報提供を行うエージェントシステムの普及が進んでいる.こうしたシステムには,技術的な限界から必ずしも常に正しい情報を提示できるとは限らないという問題がある.そこで,間違った情報を提示したとしてもユーザからの信頼感を失わないための方策が研究されている.しかし,従来の研究はエージェントが提示した情報によってユーザが得る利益の大きさを考慮していなかった.本論文では,ユーザに最大の利益をもたらす情報を「最良」の情報,全く利益をもたらさない情報を「最悪」の情報とし,最大でこそないが少なからず利益をもたらすような情報を「可もなく不可もない」情報と定義する.そして,可もなく不可もない情報の提示がエージェントへの信頼感に与える影響について実験により調査する.「可もなく不可もない情報を安定して提示するエージェント」と「最良の情報も最悪の情報も提示する不安定なエージェント」を比較した結果,ユーザが利益を得るために行動するような状況かつユーザの事前の期待が高いときには,可もなく不可もない情報を安定して提示することでエージェントへの信頼感が高まることがわかった.