フレイルティ付きリカレントニューラルネットワークを活用したイベントヒストリー解析

谷 将明  池亀 和博  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J103-D   No.3   pp.171-182
発行日: 2020/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019JDP7045
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,データマイニング
キーワード: 
フィードフォワードニューラルネットワーク,  多重状態,  ペナルティ付き対数ゆう度,  ブートストラップ法,  条件付き生存確率,  

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あらまし: 
生存時間解析では,観測開始時点で記録される共変量の値が,最終イベント(死亡あるいは打切り)発生まで一定であるとし,観測された生存時間の変動を患者(個体)に関する共変量で表現してきた.しかし,患者は観測期間中モニタリングされ,最終イベントまで種々のイベントが発生し,その時点での検査値(共変量の値)が記録される.この種々のイベントを“多重状態”と呼び,その相関構造が患者ごとに異なるため,生存時間には観測されない変動が残ることがある.このような個体の変動を変量因子であるフレイルティ(脆弱さ)効果として組込む.本論文では,共変量の値が時間に依存して変化する骨髄移植(同種造血幹細胞移植)データを取上げる.イベント発生ごとに変化する共変量の時系列情報を取込むため,自然言語処理の分野で急激な発展を遂げているリカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network;RNN)を活用し,フレイルティ効果を導入する.具体的には,ブートストラップ法を援用し,最適な隠れユニット数の決定,フレイルティ効果の有意性検定,及びモデルの適合度検定などを行い,観測期間中の多重状態である複数のイベント発生時点における半年後条件付き生存確率を的確に予測する.