個人差多次元尺度構成法にもとづく二者情動一致判断のベイズ認知モデル

アンタケ チャダーポーン 玲羅  村田 藍子  熊野 史朗  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J103-D   No.3   pp.102-110
発行日: 2020/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019HAP0021
論文種別: 特集論文 (ヒューマンコミュニケーション論文特集)
専門分野: ヒューマンコミュニケーション基礎
キーワード: 
情動一致,  共感,  類似度,  システム化指数,  ベイズ推定,  

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あらまし: 
対話中の人々が自身と相手の情動一致の判断をどのように情報処理しているかは明らかでない.そこで,人が任意の空間上に布置した各人の情動状態の距離にもとづき判断する情動一致の認知モデルを提案する.先行研究にて,感情価と覚醒度の2次元情動空間を用いて,二者が各々表明した自身の情動状態のユークリッド距離にもとづく認知モデルが提案されている.本論文では,認知や評定が含む個人差をモデルに取り入れる.まず,個人差多次元尺度構成法を参考に,個人ごとの情動空間のひずみを距離計算の際の座標軸の重みの違いとして表現する.更に評定値ごとのしきい値の個人差を順序回帰のしきい値の違いとしてモデルに追加し,解析的な推定が困難なモデルパラメタをマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いてベイズ推定する.複数人対話のデータを用いたモデル検証と,各参加者の評定傾向と種々の心理尺度の関係を探った結果,先行研究と同様にBaron-Cohenのシステム化指数が高い人ほどモデル予測値に近い判断をすることが確認された.