耳鳴周波数帯を増幅した治療音の耳鳴低減効果:神経細胞の過剰活動を表現した数理モデルによる検証

真鍋 優奈  佐藤 敬子  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J103-D   No.2   pp.61-69
発行日: 2020/02/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019JDP7031
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
耳鳴,  音響療法,  難聴,  恒常的可塑性,  

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あらまし: 
耳鳴順応療法の音響治療では,患者の耳鳴周波数特性に合わせた治療音を提供する試みが幾つかあり,臨床実験では,耳鳴周波数帯域を増幅するアプローチと,除去するアプローチのどちらも耳鳴の低減に効果があると報告されている.しかし,増幅と除去のどちらの処理を行うのが耳鳴緩和に有効かは明らかになっていない.本論文では,患者の耳鳴周波数帯域を増幅した治療音が,他の治療音(ホワイトノイズ,除去音)と比較して有効かどうかを,神経細胞の発火を表現した数理モデルに基づいて検証した.その結果,耳鳴の原因である恒常的可塑性による神経細胞の過剰活動が,増幅音を音響刺激として与えることにより,他の治療音と比較して抑えられる可能性が示された.