電気・熱・応力連成解析によるボンディングワイヤにおけるエレクトロマイグレーションの評価

加藤 光章  大森 隆広  牛流 章弘  文倉 智也  廣畑 賢治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J103-C   No.3   pp.129-136
公開日: 2020/02/17
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 
論文種別: 特集論文 (電子回路実装技術と実装材料技術論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
エレクトロマイグレーション,  パワーモジュール,  ボンディングワイヤ,  劣化,  連成解析,  

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あらまし: 
パワーモジュール用アルミニウム製ボンディングワイヤのエレクトロマイグレーション(EM)による劣化を,電気・熱・応力連成解析により評価した.電位のラプラス方程式,熱伝導方程式,応力の平衡方程式,空孔濃度の保存式,及び,空孔ひずみの運動方程式を用い,全非対角マトリクスを考慮した強連成解析を実施した.ボンディングワイヤに対するEMの影響を評価するために,まず初めに,単純化した直線形状のワイヤに対して,配線側面の変位拘束条件をパラメータとした解析を実施した.解析結果から,塑性とクリープの影響を無視できないことが確認された.また,拘束から非拘束になることで,陰極の空孔濃度がより早く増加することがわかった.更に,電流密度の増加,及び,温度の上昇による,空孔濃度の増加速度への影響を評価した.次に,ボンディングワイヤの実形状を再現した解析を実施した.解析結果から,電極端子の内側に電流密度,空孔濃度,静水圧応力の局所的なピークが発生することがわかった.また,EMにより,電極端子周辺の相当塑性ひずみ,相当クリープひずみ,ミーゼス応力は明らかに変化することがわかった.この結果から,EMはボイドやヒロックの発生だけでなく,他の破壊現象にも影響を及ぼす可能性を示した.