無人航空機を用いた逐次計算に基づくユーザ位置検出手法の初期値選択アルゴリズム

斉藤 祐貴  石川 博康  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J103-B   No.2   pp.119-129
発行日: 2020/02/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2019GTP0010
論文種別: 特集論文 (通信の未来を拓く学生論文特集)
専門分野: 計測,探査
キーワード: 
無人航空機,  ドップラーシフト,  逐次計算,  初期値選定アルゴリズム,  位置検出精度,  

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あらまし: 
近年,大規模災害時等の情報収集や一時的な無線ネットワーク機能提供など,耐災害通信システムを構築するツールとして,自律飛行を行う無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)と地上制御局やユーザ端末等から構成される無人航空機システム(UAS: Unmanned Aircraft System)の研究・開発が進められている.ここで,無線中継機能を有するUAVが上空を旋回することにより,UAVと地上のユーザ端末間に生じる通信周波数のドップラーシフトを用いて,ユーザ位置を特定することができる.本論文では,2機のUAV-端末間で生じるドップラーシフトを用いた逐次計算に基づくユーザ位置検出手法において,初期値選定を自動的に行うアルゴリズム(初期値選択アルゴリズム)を新たに提案する.具体的には,①測定した複数のドップラーシフトから得られる双曲線の交点を直線近似式により簡易に求める手法,②UAVの速度ベクトルに対する法線ベクトルと測定したドップラーシフトの正負の関係を利用する判定手法,③初期値選定手順を2回繰り返して選択精度を高める手法,を組み合わせることにより,逐次計算の初期値を精度良く選定するアルゴリズムを提案する.また,2機のUAVが上空を円旋回するモデルを想定したシミュレーションにより,90%以上の初期値選択確率が達成可能であること,並びに,初期値を既知として扱った場合とほぼ同等のユーザ位置検出精度が得られることを示す.