確率的なノード故障が生じる無線センサネットワークの連結性の相転移現象

高邉 賢史  和田山 正  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J103-A   No.1   pp.1-8
発行日: 2020/01/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
論文種別: 招待論文
専門分野: グラフとネットワーク
キーワード: 
アドホックネットワーク,  無線センサネットワーク,  連結性,  相転移現象,  

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あらまし: 
センサ及び通信機器を備えた小型のセンサノードで構成された無線センサネットワーク (WSN) の活用がリモートセンシング等の分野で活発化している.センサノードの故障に対して頑健なWSNを設計するためには,ノード故障を考慮した上で連結性等のネットワーク全体の性質を満たすことが重要である.そこで本論文では,センサノードが確率的に故障し得るWSNのk連結性に関する相転移現象を解析する.センサノードの確率的故障のモデルとしてグラフ中の各ノードが一定確率で除去されるランダムノード除去モデルを考え,除去後のグラフがk連結でないときネットワークが断絶したと定めると,その確率(平均ネットワーク断絶確率)はWSNの頑健性を表す.本論文では,平均ネットワーク断絶確率の漸近的な上下限を導出し,それを利用することでErdos-Renyiランダムグラフ及びハードディスクモデルと呼ばれる代表的なアドホックWSNのモデルにおいて,k連結性に関する平均ネットワーク断絶確率の相転移現象の存在を示した.そのしきい値は頑健なWSN設計のための指標となるだけでなく,有限ノード数のWSNに対する近似理論と密接な関係にあることが明らかとなった.