「組み立てることによる学習」の仮説検証実験への適用―構造表現としての四象限モデルと小学校理科での試験的利用―

阿部 誠大  志田 正訓  林 雄介  平嶋 宗  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.12   pp.822-833
発行日: 2019/12/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019JDP7026
論文種別: 論文
専門分野: 教育工学
キーワード: 
組立てることによる学習,  仮説検証実験,  四象限モデル,  小学校理科,  電磁石,  

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あらまし: 
学習対象を構造的に記述し,その構造を分解して部品化した上で学習者に提供し,元の構造を組み立てさせることによって学習対象に対する理解を促進することを筆者らは「組み立てることによる学習」と呼んでおり,これまでに幾つかの学習対象においてこの方法を用いた学習環境を開発し,その学習効果を確認している.本研究ではこの「組み立てることによる学習」を,仮説検証実験における変数間の関係の理解促進に適用することを試みた.「組み立てることによる学習」を適用するためには,まず学習対象を構造的に記述する必要があるが,本研究では仮説検証実験における仮説設定のための手順としてしばしば用いられている4QSをベースとして,変数が独立変数か従属変数かの軸と,変数の操作・測定が直接的か間接的かの軸の二つの軸で四つの変数と四つの変数間の関係を表した四象限モデルを考案した.そして,この四象限モデルに基づく変数間の間の関係の記述を再構成する学習環境を用意した.小学校5年生の「電磁石のはたらき」の単元において従来通りの実験を含んだ授業のあと,この「組み立てることによる学習」を用いた授業を追加的に実施したところ,変数及び変数間の関係に関して,通常授業の後の理解度合いに対して,追加授業後の理解度合いが向上していることを示唆する結果を得たので報告する.