推移性を利用した大規模ベイジアンネットワーク構造学習

本田 和雅  名取 和樹  菅原 聖太  磯崎 隆司  植野 真臣  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.12   pp.796-811
発行日: 2019/12/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019JDP7033
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,データマイニング
キーワード: 
確率的グラフィカルモデル,  ベイジアンネットワーク構造学習,  条件付き独立性,  制約ベースアプローチ,  

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あらまし: 
ベイジアンネットワークは同時確率分布の数学的な分解により高精度な予測を実現できることが知られている.しかし,ベイジアンネットワーク構造学習は膨大な計算時間を要するため,大規模変数に対して構造学習は難しい.近年の研究で,制約ベース手法であるRAIアルゴリズムの条件付き独立性検定(CIテスト)にBayes factorを用いることで漸近一致性を有しつつ1000変数程度の構造学習が可能になってきた.制約ベース手法では学習のできる限り早期にエッジを削除することができれば学習に要するCIテスト数を削減できることが知られている.本論文はベイジアンネットワークのある二変数の条件付き独立性からその各変数と他変数との条件付き独立性の少なくとも一つを保証できる推移性が成り立つことを明らかにする.更にRAIアルゴリズムにおいて推移性により少なくとも一つの条件付き独立が保証される二組のエッジのCIテストを優先して行い,CIテスト数を大幅に削減できる手法を提案する.複数のベンチマークネットワークと大規模なランダムネットワークを用いたシミュレーション実験により,提案手法がこれまで実現できなかった大規模なベイジアンネットワークを学習できることを示した.