共有ストレージ型並列データベースエンジンにおける演算資源非均質性の影響を軽減可能とする動的負荷分散手法

奥野 晃裕  早水 悠登  合田 和生  喜連川 優  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.12   pp.773-786
発行日: 2019/12/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2018JDP7077
論文種別: 論文
専門分野: データ工学,Web情報システム
キーワード: 
パブリッククラウド,  非均質演算資源,  並列データベースエンジン,  動的負荷分散,  

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あらまし: 
複数のプロセッサを用いて演算を並列化しクエリ実行を高速化する並列データベースエンジンにおいて,各プロセッサの処理能力に偏りがある場合,クエリの実行中に各プロセッサに等しい負荷を割り当てると,処理能力の低いプロセッサにおける処理時間がクエリ実行時間を律速することとなり,処理能力の高いプロセッサの利用効率が低下する.近年利用が広まっているパブリッククラウド環境の多くは仮想化された演算資源をネットワークを介してユーザに提供するが,パブリッククラウド環境の仮想サーバであるインスタンスをユーザが複数同時に利用する場合において,同じ処理能力のプロセッサをもつ均質なインスタンスを常に確保することは困難である.当該状況において,ユーザは異なる処理能力のプロセッサをもつインスタンスを組み合わせる,すなわち非均質な演算資源を用いる必要がある.並列データベースエンジンにパブリッククラウド環境の非均質なインスタンスを用いる場合に,プロセッサの利用効率を高めるためには,プロセッサがもつ能力に応じて負荷を分散させることにより各プロセッサの処理時間を均衡化する手法が必要となる.本論文では,共有ストレージ型の並列データベースエンジンにおいて,各インスタンスのプロセッサの処理能力に応じた負荷を割り当て,各プロセッサの処理時間を均衡化することによって演算資源非均質性の影響を軽減する負荷分散手法を示す.提案手法を用いることによって,共有ストレージ型並列データベースエンジンに非均質な演算資源を用いる場合において,より高い性能向上を得ることが可能となる.本論文では,パブリッククラウド環境における異なる性能のインスタンスを複数組み合わせた評価実験によって,提案手法の有効性を示す.