人工高速フェージングを用いた秘密情報伝送における独立成分分析による盗聴法とその対策の検討

桐野 悟至  笹岡 秀一  岩井 誠人  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J102-B   No.9   pp.674-684
発行日: 2019/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2019JBP3003
論文種別: 論文
専門分野: 無線通信技術
キーワード: 
秘密情報伝送,  MISO,  AFF,  ICA,  拡大信号点,  

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あらまし: 
MISO無線通信における電波を用いた物理層セキュリティとして,人工高速フェージング(AFF)を用いた秘密情報伝送が提案されている.AFFは複数アンテナで送信信号にほぼランダムに時変化する重みを乗積することによって,正規受信局でのみ所望信号が受信できる方式である.既存研究において,幾つかの攻撃方法に対しての安全性が示されているが,独立成分分析(ICA)を用いた盗聴に対する検討は行われていない.本論文では,AFFを用いた秘密情報伝送おいて,ICAによる盗聴の可能性を新たに指摘した.シミュレーション結果より,QPSK変調において秘密保持容量が低下することが判明し,16QAM変調においても,盗聴アンテナ数を増やすことで,秘密保持容量が低下することが示された.そこで,盗聴対策として拡大信号点を用いた手法の適用を検討し,評価を行った.シミュレーション結果より,ICAによる盗聴が行われやすい状況においても,盗聴対策を適用後は,盗聴局のBER特性が大幅に劣化し,十分な秘密保持容量が得られることがわかった.したがって,ICAによる盗聴が行われても拡大信号点を用いた盗聴対策を適用することでAFFを用いた秘密情報伝送を実現することが可能であると示された.