マルチパス環境下の距離とドップラーを観測値とするTaylor級数推定法による位置及び速度推定

小菅 義夫  古賀 禎  宮崎 裕己  呂 暁東  稲葉 敬之  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J102-B   No.11   pp.936-947
発行日: 2019/11/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2019JBP3014
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
TOA,  GPS,  測位,  距離,  距離バイアス誤差,  ドップラー,  

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あらまし: 
マルチパス環境下では,距離観測値にランダム誤差の他に瞬時的なバイアス誤差が生じる.このような場合に,ドップラー(距離の時間微分値)及びバイアス誤差を有する距離を同時に複数観測し,目標の位置及び速度をTaylor級数推定法により推定する二つの方法が報告されている.ドップラー単独法は,距離観測値は使用せずに,ドップラーのみを観測値として目標位置,速度を推定する.バイアス検出法は,距離及びドップラーを観測値として,目標位置,速度の他に距離バイアス誤差を推定する.なお,両者の位置,速度推定結果は同一である.これは,バイアス誤差を未知数とする距離観測値は,位置,速度推定に寄与しないことを示す.ところで,通常は距離観測値にはランダム誤差のみ存在する.本論文では,バイアス検出法によるバイアス誤差推定値をその推定誤差の分散で正規化した値が小さい距離では,距離バイアス誤差を未知数とせずに位置と速度を再推定する方法を提案する.提案法では,バイアス誤差を未知数とする距離が少ないほど,位置と速度の推定誤差共分散行列が小さいことを示す.