HMM音声合成における固定小数点演算によるパラメータ軌跡計算時の誤差削減

西澤 信行  矢崎 智基  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J100-D   No.2   pp.230-243
発行日: 2017/02/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2016JDP7076
論文種別: 論文
専門分野: 音声,聴覚
キーワード: 
HMM音声合成,  パラメータ軌跡計算,  固定小数点演算,  計算誤差,  

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あらまし: 
HMM音声合成におけるパラメータ軌跡生成処理を固定小数点演算化した際の計算誤差について,提案する誤差削減手法により,32ビット整数演算のみで計算が可能なことを示す.特に基本周波数(F0)パラメータ軌跡の生成では,計算途中のオーバフローを避けようとすると,従来のパラメータ軌跡の計算方法では丸め誤差が蓄積して,系列全体で見たときの誤差が大きくなりやすい.そこで提案手法では,静的特徴の分布平均値からの差を計算の対象とすることで,静的特徴の誤差の蓄積を抑えて系列全体の誤差を削減する.より大きな計算誤差が生じやすいと考えられるF0パラメータ生成の計算精度について評価を行ったところ,計算誤差を削減できるだけでなく,提案手法は従来手法よりもパラメータのスケーリング設定に対する感度が低く,男声HMMと女声HMMで同じスケーリングを利用できることを確認できた.更に提案手法は系列内分散(GV)を考慮したパラメータ軌跡計算にも適用できる.