大規模マルチエージェントシミュレーションに基づく社会システムデザインの可能性

服部 宏充  十見 俊輔  中島 悠  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J100-D   No.2   pp.180-193
発行日: 2017/02/01
早期公開日: 2016/11/02
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2016JDP7062
論文種別: 論文
専門分野: 情報ネットワーク
キーワード: 
マルチエージェントシミュレーション,  社会システムデザイン,  交通シミュレーション,  遺伝的アルゴリズム,  

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あらまし: 
本論文では,マルチエージェントシミュレーション(MASim: Multi-Agent Simulation)に基づいて,異種の社会システムを統合した社会システムをデザインする方法を提案する.具体的に交通シミュレーションと電力流通シミュレーションを接合したMASim環境を構成し,電気自動車を介して太陽光発電の余剰電力を都市内に流通させる仮想の社会システムのシミュレーションを行い,未知の社会システムの事前検証のためのMASimの利用可能性を問う.ここでの課題は,人間の行動を模擬するエージェントが,交通においては電力流通への貢献も考慮に入れながら交通行動を変化させ,電力流通においては交通状況に応じて電力流通への貢献を変化させるといった様に,システム横断的に人間の行動が介在することによる,システムの複雑な挙動に対処する方法にある.この課題に対し,近似解法を援用したシステムデザインの漸次的な更新と,各デザイン下でのMASimによる集団挙動の評価を繰り返し,準最適な社会システムデザインの自動獲得を試みる.実験により,社会システムのデザインツールとしてのMASimの有用性を示す.