通信用リレー接点の変遷と制御用リレーへの展開

青木 武  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J100-C   No.10   pp.437-443
発行日: 2017/10/01
Online ISSN: 1881-0217
論文種別: 招待論文 (学会創立100周年記念論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
通話路スイッチ接点,  接点表面被膜,  接触抵抗障害,  通信用リレー,  制御用リレー,  エレクトニクス技術,  

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あらまし: 
電磁リレー・スイッチ接点はS × S交換機,XB交換機,電子交換機の基幹部品として大量に用いられ,通信の信頼性を左右する部品であった.その交換機の信頼性は接触抵抗上昇を招く大気中で生成する表面被膜に支配されるが,被膜生成には多くの要因が複雑に絡み合い,設計時,予測困難な現象も多かったことから,交換機接点の研究実用化の歴史は表面被膜との闘いの歴史であったともいえる.その後,エレクトロニクス技術の急速な進展とともに,高次の系統構成化が進み,交換機もディジタル化された.一時期,需要の大幅低下も懸念されたが,これをしおに,中・高負荷領域の産業機械や自動車,家電製品等に拡大され,適用領域の主力が通信用から制御用に転開された.その後,新たな需要を見出しつつ安定な市場を確保し,現在に至っている.本報では,信頼性の要の部品と目されていた通信用電磁リレー・スイッチ(以下通信用リレーと略記)の変遷,電子化の波の中,半導体との共存共栄を図りつつ,制御用リレーへの新たな展開を図った技術の流れを通して,時代の推移とともに移り変わる研究実用化の命題や研究技術者に要求される資質の移り変わりについて述べる.