2波を組み込んだ1波モデルによる伝搬推定とその応用

内田 一徳  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J99-C   No.6   pp.281-288
公開日: 2016/05/12
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 
論文種別: 招待論文
専門分野: 電磁界理論
キーワード: 
電波伝搬,  1波モデル,  2波モデル,  奥村・秦モデル,  建蔽率・容積率,  通信距離,  無線ネットワーク,  

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あらまし: 
地上電波伝搬で取り扱う伝搬路は,地上に設置されたビルや家屋等の人工的な建築物及び山林,丘陵地や海面等の自然環境から形成される.これらの複雑な空間を対象にして,その伝搬特性への影響を精密に把握することは一般に難しい.多数の実験値やシミュレーション値に基づいて,地上電波伝搬特性を統計的に記述する方法はその対策の一つである.本論文では,2波を組み込んだ1波モデルを提案し,市街地伝搬に関する数値シミュレーションの一手法について議論する.まず,振幅補正値αと距離特性のオーダーβの2個のパラメータを導入した電界表現式が,複雑系の伝搬環境における伝搬特性を統計的に記述できることを示す.次に,奥村・秦モデルを参照すれば,2個のパラメータαとβが簡単な計算式で与えられることを明らかにする.最後に,建築基準として採用されている建蔽率・容積率の値が市街地伝搬特性に強い相関があるとの仮定に基づき,都市空間を奥村・秦モデルに対応した市街地,郊外地及び開放地の3区分に分類し,3区分化された領域の代表点を奥村・秦モデルに対比させることによって,ラグランジュ補間法に基づく都市空間全体の伝搬特性を推定する数値計算法を提案する.数値例では福岡市の場合を例に挙げ,同市内における振幅補正値と通信距離の分布を示す.