文節間の依存・非依存を同定する漸進的係り受け解析

大野 誠寛  松原 茂樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J98-D   No.4   pp.709-718
発行日: 2015/04/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2014JDP7088
論文種別: 論文
専門分野: 自然言語処理
キーワード: 
構文解析,  係り受け構造,  音声言語処理,  リアルタイム字幕生成,  音声翻訳,  

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あらまし: 
漸進的な係り受け解析は,文の入力途中の段階で文節間の依存関係を同定するものであり,入力音声に追従した出力が求められる音声言語システムにとって有用である.しかし,解析器が提示する結果にどのような情報が含まれるべきかについては,これまでほとんど検討されていない.本論文では,音声言語システムが文節間の依存関係に関する情報をできる限り早期に利用できることが望ましいという観点から,漸進的な係り受け解析が生成する係り受け構造とその解析手法について述べる.本手法は,文節が入力されるごとに解析を実行し,既入力の文節間の依存関係,並びに,係り先が未入力の文節に対しては既入力の文節との非依存性を同定し,それを明示した係り受け構造を生成する.係り先が未だ入力されていないという情報を解析器が提示することにより,システムは文節列の構文的なまとまりの成否をより考慮した処理が可能となる.係り受け解析実験により,本手法が漸進的な係り受け解析を高精度で実行できることを示した.また,リアルタイム字幕生成における改行位置の同定に本手法を適用し,本論文で提案する係り受け構造の有効性を確認した.