浸水発生の可能性とその危険を推定する指標化モデルの提案と評価

廣井 慧  井上 朋哉  妙中 雄三  加藤 朗  砂原 秀樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J98-D   No.3   pp.396-403
発行日: 2015/03/01
Online ISSN: 1881-0225
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: データ工学,Web情報システム
キーワード: 
センサネットワーク,  リスクコミュニケーション,  浸水解析,  時空間補正,  

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あらまし: 
都市域に頻発する浸水被害を軽減するためには,その程度や影響の把握が重要となる.これまで用いられた浸水の被災状況を示す指標は,提供時間と発生タイミングの違いにより即時性が十分でないという問題や,指標の示す空間範囲と浸水の発生箇所の違いにより空間精度が十分でないという問題があり,被災状況の把握が困難となる.そのため本論文では,浸水の程度と,その影響を指標化するモデルを提案する.浸水の指標は,観測点以外の地点での浸水発生有無やその浸水深,その影響を指し,時空間分布で表される.本論文では指標化モデルを用いて河川付近での浸水発生有無の指標を生成する.指標化モデルは,観測機器の未設置地点における河川水位の推定値を算出し,その推定値から浸水の発生や,発生する危険の有無を推定することで指標の生成を行う.提案指標を,実際の河川状況と比較したところ,高相関が確認できた.また,提案指標は,浸水の発生有無について現況だけでなく,危険の接近や継続の可能性として今後の発生有無を推定するため,河川水位の急激な変化にも対応できる可能性がある.提案した指標化モデルは,被災状況を把握する目的において,浸水を推定する即時性の高い指標を生成できると示唆された.