次世代移動通信システム用広帯域電力増幅器のビヘイビアル・モデルの考察――メモリー多項式モデルとパラレル・ウィーナ・モデルの等価性について――

福田 英輔  大石 泰之  大洞 喜正  森川 博之  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J98-A   No.8   pp.484-495
発行日: 2015/08/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
論文種別: 特集論文 (回路とシステム論文小特集)
専門分野: 
キーワード: 
電力増幅器,  メモリー効果,  メモリー多項式,  パラレル・ウィーナ,  プリディストータ,  

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あらまし: 
広帯域移動通信システム用の電力増幅器のメモリー効果を記述するビヘイビアル・モデルとして,メモリー多項式(Memory Polynomial: MP)モデルが広く用いられている.本論文ではパラレル・ウィーナ(Parallel Wiener: PRW)モデルに対してサブキャリア数の多いOFDM信号を入力とする場合に,実用的に等価と見做せるMPモデルが存在するかどうかを理論的に検討した.その結果,メモリー効果の遅延時間長がOFDM信号のシンボル長の数%程度以下の場合には,二つのモデルが等価と見做せることを明らかにした.MPモデルに関する報告では,通常,この条件は満足されている.計算機シミュレーションにより,この等価性を時間波形と電力スペクトルで検証した.時間波形では,双方のモデルの非線形歪の同じ次数の成分を比較し,その差のr. m. s. 値を評価し,誤差がシンボル周期の始まりの部分以外で十分小さくなることを示した.更に,このr. m. s. 値をシンボル周期で平均すると -30dB以下となることを示した.また,等価MPモデルのインバースをプリディストータ(Pre-Distorter: PD)用補償信号としてPRWモデルの電力増幅器に適用した結果,MPモデルに適用した場合とほぼ同じ隣接チャネル漏洩電力比(Adjacent Channel Leakage power Ratio: ACLR)の改善効果が得られた.すなわち,MPモデル用に設計したPDは条件付きでPRWモデルにも適用できることが示された.