呼吸音区間に対する喀痰検出システムと実環境における個人適応

山下 達也  田村 哲嗣  林 賢二  西本 裕  速水 悟  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J97-D   No.12   pp.1831-1838
発行日: 2014/12/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
肺音,  実環境,  個人適応,  HMM,  SVM,  

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あらまし: 
人工呼吸器装着患者は,痰が気道内に貯留した際に自立的に体外へ排出することが困難なため,医療スタッフが適時気管吸引を行って貯留している痰を排出する必要がある.本研究では,この気管吸引の支援として,痰に由来する異常音を肺音のみを用いて検出し,最適な吸引時期を医師に教示するシステムを提案する.聴取された肺音からHMM(Hidden Markov Model)を用いて全ての呼吸区間を切り出し,切り出した呼吸区間ごとにSVM(Support Vector Machine)を用いて正常音か異常音かの2クラス分類を行い,喀痰の貯留の有無を判断する手法を検討し,病院等の実環境で収集したデータを用いて評価した.更に,実環境において混入する様々な環境雑音や患者ごとの呼吸音の個人差に対応するため,適応データを用いたSVMの再学習による個人適応を行い,実環境の肺音での喀痰検出の精度改善について検討した.呼吸区間検出では,継続時間長の制限を設けることにより区間検出精度を向上させた.喀痰検出では,新たな特徴量を提案し従来の特徴量と比較することで有効性を示した.また個人適応では,学習用特徴量を適応しSVMを再学習することで,実環境において喀痰検出精度が向上することを示した.