スパース表現を用いた多重音における楽器構成の推定

岡村 麻里  田村 哲嗣  速水 悟  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J97-D   No.11   pp.1660-1668
発行日: 2014/11/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
論文種別: 論文
専門分野: 音楽情報処理
キーワード: 
楽器推定,  多重音,  多重奏,  スパース表現,  

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あらまし: 
本論文では,スパース表現を応用したクラス分類手法であるSRC法を利用し,調波特徴とスペクトルサブバンド特徴を用いた楽器推定手法を提案する.本手法では,音響信号の全体が楽器特徴の線形結合で表すことができると仮定し,その構成要素の重みを推定する.これにより,多重音そのものやこれまで課題とされてきたユニゾンにおける楽器構成の推定を図る.楽器構成推定の評価実験として,二つの楽器音が重畳した多重音と,二つの楽器によって演奏された旋律が重畳する多重奏に対し推定を行った.多重音における推定では,(1)多重音振幅スペクトルを教師なし非負値行列因子分解(NMF)によって分離し,パターン認識で広く用いられる識別器であるサポートベクターマシン(SVM)で推定したもの,(2)音階情報既知の条件で教師ありNMFを用いたもの,(3)スペクトルサブバンド特徴のみを用いたものと,提案手法とを比較した.その結果,提案手法による精度は85%と,(1)〜(3)のいずれよりも高い性能が得られ,多重音において提案手法を適用できる可能性を示した.また,多重奏における楽器構成の推定では,従来手法では推定が困難とされるユニゾンの場合において提案手法の有効性を示した.