特異値によるTOA測位精度の解析

小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J97-B   No.3   pp.333-340
発行日: 2014/03/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 計測,探査
キーワード: 
TOA,  GPS,  測位,  特異値,  推定精度,  誤差解析,  

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あらまし: 
本論文は,移動体である目標の位置を推定するTOA(Time of Arrival)測位について述べる.TOA測位は,送受信機間の距離を同時に複数観測し,目標の位置を推定する.目標が送信源の場合と,目標が受信機を搭載している場合がある.なお,後者の代表例は,GPSである.ところで,TOA測位では,送受信機の配置により測位精度が大きく変化し,発散する場合すらある.このため,測位計算に使用する距離観測値の個数と,測位精度の関連を確認する必要がある.なお,測位精度劣化の従来の指標であるDOP(Dilution of Precision)は,送受信機の配置関係より決まる長方行列(これを配置行列と呼ぶことにする)とその転置行列より算出した正方行列の逆行列の存在を仮定し,この逆行列の対角成分のみより算出していた.本論文では,TOA測位精度の指標として,逆行列の算出が不要な,配置行列の最小特異値を提案する.また,この最小特異値が大きければ,測位精度が確保できることを示す.更に,距離観測値の個数が増加すると,この最小特異値は大きくなること及び測位精度はよくなることを示す.